私は4姉妹の長女だ。一般的には長女っていうとしっかり者のイメージかもしれないけれど、我が家ではちょっと事情が違う。しっかりみんなをまとめたい気持ちはあるけれど、実際は実質的にしっかり者の妹たちによってかなりフォローされている状態だ。

4姉妹の中で最初に免許を取ったのはもちろん私だった。でも何故かみんな一度私の車に乗るともう二度と乗ってくれなくなった。両親でさえも。そうして私がペーパードライバー歴を更新している間に4女も免許を取り、彼女は家族を時々乗っけて走り回っているのだから、長女としては面目丸つぶれだ。

でも子供が産まれてから車を運転する必要に迫られ、私は再びハンドルを握ることになった。夫と山奥にある公園のだだっ広い駐車場で運転の練習をし、おっかなびっくりだけど何とかまた公道で走れるようになったのである。…すぐにまた、ペーパードライバー歴が始まるのだが。

ある日私は夫に子供を見てもらい、車で買い物に出かけた。車を運転する機会が増え、自分でもちょっとは自信がついていた頃だった。でも何でもそうだけど、そんな中途半端な自信が一番怖い。スーパーへ向かう抜け道で、私はカーブを減速せずに曲がり、何と車をスピンさせてしまったのだ。制御不能となった車は道路沿いに立ててあった看板に衝突し…車は大破してしまったのである。結局その車はそのまま廃車となってしまい、私は再びペーパードライバーの道へと進むことになったのだった。

ケガがなくて本当によかった、だからもう二度と運転しないでと私の夫や家族は言ってくれたけれど、私は今でもまた運転がしたいなあと思っている。そして次の自動車は是非とも乗り潰してから廃車にしたいと思っているのだが…みんなにはなかなか言い出せない。